台風24号の接近を受け、関西空港では30日午前、旅客ターミナルの地下の電源施設などを浸水から守るため、土囊(どのう)を積む作業を続けた。午前11時からは滑走路を閉鎖し、空港内の店舗も大半が臨時休業となった。
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今月4日に台風21号に襲われた時も土囊は積んでいたが、高波で滑走路が冠水し、大半の旅客便が発着する第1ターミナルの地下の電源設備も浸水で使えなくなった。今回は土囊の数を増やして対応している。
また、電源設備がある地下室の扉に防水テープで目張りし、止水板の高さをかさ上げする補強も行っている。非常用の小型発電機約20台も地上約1・2メートルの鉄骨台の上に並べたほか、排水機能がついた消防ポンプ車など6台を事前に手配し、地下電源近くに配備した。
空港を運営する関西エアポートの山谷佳之社長は「前回の浸水被害を教訓に、考えうる限りの対策をとった」と話す。
関西エアは今回、30日午前11時から10月1日午前6時まで関空の滑走路を2本とも閉鎖すると事前に発表。全日本空輸など関空に就航している航空会社の搭乗手続きカウンターでは、滑走路閉鎖による欠航とカウンター営業終了を表示板などで知らせていた。関西エアによると、30日に発着が予定されていた旅客・貨物便計100便は午前11時までにすべて発着を完了したという。
関空と対岸をつなぐ連絡橋の鉄道も、JR西日本や南海電鉄が30日午前から順次、運転を見合わせる。空港内の商業店舗は30日朝、通常通りの開店時間に店を開けるところもあったが、大半が順次、閉店していった。ある飲食店の女性従業員(34)は「(予告運休を決めている)JRが止まると家に帰れなくなるので」と話していた。(辻森尚仁)