台風24号に備え、30日午前11時から2本の滑走路を閉鎖した関西空港は1日午前6時、通常の運用に戻った。特に被害はなく、施設への浸水を防ぐ土囊(どのう)も撤去された。ただ、機材のやりくりがつかず、国内線を中心に欠航便も相次いだ。
【タイムライン】台風24号の最新情報まとめ
家電は高いところへ・風呂に水をはる 台風接近時の備え
都市部を襲う風水害 どう備えれば
運営会社の関西エアポートによると、運航再開を待つ約300人がターミナルで一夜を過ごした。コンビニなど一部店舗は24時間営業を続けた。関西エアは風が強まった30日夜はターミナルの自動扉を封鎖した。
第1ターミナル4階の国際線出発ロビーは1日早朝から航空会社のカウンターでチェックインする利用客が列をつくった。
格安航空会社(LCC)スクートのバンコク経由シンガポール行きは、30日夕の出発予定が1日朝まで延期された。バンコクへ向かう大阪市の会社員藤元千香雄(ちかお)さん(51)と山下佳次さん(37)は30日午後から関空で待ち続けた。「台風だからしかたないし、事前に知らされたのでよかった。ただ寒くてよく眠れなかった」と苦笑した。
滑走路が再開された午前6時過ぎには、日本航空のホノルル発の便が予定より16時間遅れで到着した。職場の仲間と戻った兵庫県芦屋市の飲食店員、久田俊弥さん(23)は「出発前夜に延期を知らされ、その分観光した。今日から仕事だけど、大丈夫」と話した。(加戸靖史)