立憲民主党は30日、結党1年となる10月3日を前に、初の党大会「立憲フェス」を東京都内で開いた。結党直後の衆院選で17%あった政党支持率は下落傾向にあるが、枝野幸男代表は「政治はうねり」と強調。外交や経済政策を積み上げて政権担当能力をアピールしつつ、来年夏の参院選に向けて再び勢いを巻き起こそうと呼びかけた。
「野党第1党として政権の選択肢となり、遠からず政権を担う。そして政権を変えたらよいことがあると感じていただける結果を出す。野党第1党代表の私が『ポスト安倍』だ」。枝野氏は演説でこう述べ、政権奪取に強い意欲を見せた。
党大会では「最小の野党第1党から最強の野党へ」とする結党2年目の活動方針を決定。「草の根の力を生かす」として市民とつながりを強めることや、現在は33にとどまる都道府県連を年内に40にすることを挙げた。安倍晋三首相が掲げる憲法9条への自衛隊明記案には「明確に反対し闘う」とした。
参院選に向けては、比例区に20人擁立し、4割以上を女性に。LGBTなど多様性を体現する候補も立てる▽選挙区の1人区は「野党候補の一本化に全力を尽くす」▽改選2~6人の複数区は「原則、全選挙区で擁立をめざす」とした。
初の党大会は米国の政党の党大会を念頭に、お笑いライブや飲食コーナーを取り入れて「フェス形式」にした。国会議員と党員である「立憲パートナーズ」との交流を図る対話型のワークショップも行った。枝野氏は「参加者が色々なものを共有するお祭りにしたかった」と狙いを語る。
その背景には、支持層の拡大が思うように進まないとの悩みがある。朝日新聞社の世論調査で、ピーク時に17%だった立憲の支持率は5%まで続落。政権に批判的な中高年層に支持が偏っており、若者層や保守層の支持獲得が課題だ。このため党大会では若者層に届くネット発信を強め、現実主義的な外交政策をアピールする方針を確認した。(別宮潤一、及川綾子)