安倍晋三首相は1日午前に首相官邸に入る際、沖縄県知事選で米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対する前自由党衆院議員の玉城(たまき)デニー氏(58)が初当選したことによる政権運営への影響を記者団から問われ、「政府としては選挙の結果を真摯(しんし)に受け止め、沖縄の振興、そして基地負担の軽減に努めていく」と述べた。
安倍政権は総力を挙げて、前宜野湾市長の佐喜真淳(さきまあつし)氏(54)=自民、公明、維新、希望推薦=を支援したが敗れた。だが、菅義偉官房長官は同日午前の記者会見で、「早期に辺野古移設と普天間飛行場の返還を実現したいという考え方に変わりはない」と強調し、移設工事を進める方針を示した。また、玉城氏と会談する意向も示した。
小野寺五典防衛相は同日、沖縄県による辺野古の埋め立て承認撤回への対応について、「沖縄防衛局が(撤回の)処分理由の精査を行い、必要な法的措置をとる」と記者団に語った。ただ、その時期は「総合的に判断する必要がある。現時点で予断をもってコメントすることは差し控える」とした。
一方、立憲民主党の福山哲郎幹事長は同日、移設反対を訴えた候補が2回連続で当選したことに触れ、「辺野古への基地建設を見直すことは政府の務めだ」と記者団に語った。国民民主党の玉木雄一郎代表も同日、「強引に民意をねじ伏せようとする(安倍政権の)やり方に対する反発も出た」と指摘した。