旧優生保護法(1948~96年)の下で障害のある人らに不妊手術が行われた問題で、超党派議員連盟の作業チームは3日、救済法案の大枠を取りまとめた。法案前文に反省とおわびの言葉を明記し、救済対象者を認定するための第三者委員会を設置することで一致。資料が残っていない人も含めるなど幅広く救済する方針も確認した。
議連事務局次長の初鹿明博衆院議員(立憲民主党)は同日の作業チーム会合後に記者会見し、「おわびをしないと法律をつくる意味はない」と述べ、法案の前文に反省とおわびの言葉を明記することを決めたと説明した。ただ、立法府や政府の責任をどこまで認めるのかや具体的な文言は、今後の検討課題とした。
救済対象者の認定は、医師や弁護士らで構成する第三者委員会を厚生労働省内に設置して行う。幅広い救済に向け、不妊手術の記録が残っていない場合でも、本人の陳述や手術痕などにもとづく「総合的な判断」での救済認定を可能とする。また、手術への同意・不同意は問わない。
救済対象と認定された人には、一律の救済金を1回で支払う。申請できるのは被害者本人や法定代理人とし、家族は原則認めない。認定申請の期限は法施行から5年を軸に検討する。
被害者が高齢となっていることを踏まえ、議連は迅速な対応を重視。来年の通常国会での法案提出をめざしている。救済対象者の範囲や認定方法など詳細を盛り込んだ法案骨子を、今秋に取りまとめる予定だ。同様に救済・支援策を検討している与党ワーキングチーム(WT)と今後内容を調整することになるが、WT内には「認定方法は相当の議論が必要」などの声があり、調整は難航する可能性もある。(浜田知宏、船崎桜)