東京都中央区の築地市場が6日、最後の営業日を迎える。全国の産地から水産物や野菜が集まり、食の流通を支えてきたが、施設の老朽化により豊洲(江東区)へ移転する。築地で働く仲卸など大半の業者が移り、11日に新しい市場がオープンする予定だ。
開場80年余、日々変化する築地の記録
消えゆく魚河岸のものがたり
築地市場は1935年に開場。83年に及ぶ歴史を終える日が近づき、築地には連日、多くの人たちが訪れている。引っ越しを控え、場内には5日で築地での営業を終えたすし屋もあり、長い列ができた。
豊洲への移転は、2001年に当時の石原慎太郎知事が決めた。予定地の土壌から環境基準を大幅に超える有害物質が検出され、移転に反対する意見が噴出。16年に就任した小池百合子知事が移転延期を表明したが、追加の安全対策工事を実施したうえで「安全・安心宣言」を出し、農林水産相が開設を認可した。
豊洲市場にも飲食店や物販店が入り、一般の人は13日から利用できる。築地で人気だったマグロ卸売場のセリの見学は来年1月15日からになるという。
安全面への不安などから、移転反対を訴えている業者もいるが、5日朝、築地市場を視察したという小池百合子知事は「豊洲を日本の中核市場としていきたい」と語った。