東京・築地市場の最後の日。多くの人が市場を訪れ、場内はにぎわいを見せた。不安を抱えながらも豊洲市場に移る人、移転を機に市場を去る人、情緒ある店や風景を惜しむ人。様々な思いを胸に、人々は83年の歴史を刻んだ「日本の台所」に別れを告げた。
92年、築地と歩み、消える 吉野家1号店
魚河岸ものがたり
開場80年余、日々変化する築地の記録
「築地市場は、営業を終了します」。6日正午、場内にアナウンスが流れた。
市場では各所で、最後のあいさつをする光景がみられた。午前6時すぎ、水産仲卸「佐孝」の店先で、店主の佐々木久和さん(42)が顔なじみの客に「お世話になりました」と声をかけていた。近海ものの魚介を扱ってきた店の3代目。地下水汚染の問題を抱える豊洲での営業に、「心配もあるが、できる限り頑張っていきます」と話した。
並んで店に立った母の光恵さん…