営業を6日で終えた築地市場(東京都中央区)から、11日に開場する豊洲市場(江東区)への引っ越し作業が本格化している。約900の業者が豊洲へ移り、10日までに大半の荷物を運ぶ予定だ。7日は早朝から、市場で使われる小型運搬車「ターレット」(ターレ)やフォークリフト300台以上が、使用開始前の環状2号線を走って豊洲へ移った。
築地市場の最後の日 「残りたい」裸電球消えた暗がりに
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タイムラプス動画で振り返る築地市場
夜明け前の午前5時過ぎ、ターレの集団が、築地市場を出発した。隅田川の対岸の豊洲市場へ。前照灯を照らし、築地大橋を渡っていった。
都の計画によると、荷物は2トントラック換算で約5300台分に上り、4日間でターレやフォークリフトも計約2600台移動させる。周辺の道路の渋滞を避けるため、環状2号線を引っ越し専用のルートとして使う。
水産仲卸「富士見かね七」の秋山宏樹さん(39)は「隅田川を吹き抜ける風が強いので、気をつけて行ってきます」。荷台に引っ越しの荷物を積んで豊洲に向かう業者もいた。
築地市場の業者にターレやフォークリフト計約600台をリースしているという「酒井輪業」の村口邦義社長(68)によると、築地のターレは大半がリース。仲卸は、豊洲に持って行く荷物もあるので自分たちで運ぶ店も多いが、卸会社(大卸)に貸しているターレは「我々が運ばないと。たぶん100台以上になる」。10日にかけて、約10人態勢で築地―豊洲間をピストン輸送するという。