ポンペオ米国務長官が7日に訪朝した際、日本人拉致問題を取り上げたが、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長から返答がなかったと、米朝関係筋が明らかにした。北朝鮮は、当面の間、日朝首脳会談に応じる考えはないとした従来の姿勢を堅持したとみられる。
この関係筋によれば、ポンペオ氏は、日本政府の要請を受けて、「日朝首脳会談を開き、日本人拉致問題や核・ミサイル開発問題を解決する用意がある」とした安倍晋三首相の意向を正恩氏に伝えたという。ただ、正恩氏は、ポンペオ氏の指摘についてコメントしなかったという。
北朝鮮関係筋によると、正恩氏は9月の南北首脳会談でも、日朝首脳会談に消極的な姿勢を示したとされる。李容浩(リヨンホ)外相も、9月末にニューヨークで会談した河野太郎外相に、日朝首脳会談を急いで行う考えはないという趣旨の話を改めて伝えている。(ソウル=牧野愛博)