住宅メーカー積水ハウス(大阪市)が購入しようとした土地について虚偽の書類を使って名義変更をしようとしたとして、「地面師」といわれるメンバーが警視庁に逮捕された。経営トップの責任問題に波及し、問題の土地をいまだに取得できていない同社。東証1部上場の大手はなぜ、だまされたのか。
「地面師」を逮捕 積水ハウス土地取引で偽文書行使容疑
問題の土地は、東京都品川区のJR五反田駅から南西約300メートルにある旅館の跡地約2千平方メートル。周囲にビルやマンションが立ち並ぶ一等地だ。捜査関係者によると、この土地が、所有者になりすまして勝手に土地を転売して代金をだまし取る「地面師」グループによる事件の舞台となった。
積水ハウスの調査対策委員会が今年1月にまとめた報告書によると、同社東京マンション事業部の幹部が、私的な会合で知り合った容疑者グループの一人からこの土地の情報を得たのは昨年3月30日。「売りに出されない土地」として知られていたが、入札になれば80億~100億円に上るとうわさされていた。
従業員約1万6千人、今年1月…