早期開催で合意している2度目の米朝首脳会談について、11月中旬に欧州で開かれるとの観測が米政府関係者の間で浮上している。開催地で名前が挙がるのが、スウェーデンのストックホルムとスイスのジュネーブ。ただ、開催地も「交渉カード」の一つで、週内にも開かれる米朝実務者協議で北朝鮮の核施設の査察方法などとともに駆け引きが繰り広げられそうだ。
トランプ氏、正恩氏との会談は中間選挙後「選挙忙しい」
「(北朝鮮の)金(キム、正恩〈ジョンウン〉)委員長とトランプ米大統領の会談は、2カ月くらいの間に行われると思う」。ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は12日午前の米ラジオ番組でこう語った。トランプ氏は9日、「選挙戦で忙しい」と述べ、米朝首脳会談は11月6日の中間選挙後に行われる見通しを示している。
複数の米政府関係者によると、米朝首脳会談は11月中旬に欧州で開催される可能性が高いという。有力な候補地として挙げられるスウェーデンは、平壌に大使館を置き、米国の利益代表を務めている。一方、スイスには北朝鮮大使館があり、正恩氏が留学していた経緯もある。トランプ氏は11月11日にフランスを訪問する予定で、その後に開催地へ向かえる。
トランプ氏はフロリダ州の別荘で首脳会談を開催する可能性について「たぶん金正恩氏は気に入るだろう」と可能性を否定していない。しかし米政権内には正恩氏の米国訪問について反対論は根強い。
一方、米朝関係筋によれば、正恩氏は7日、訪朝したポンペオ米国務長官に対し、交通や警備の便宜をはかるよう求めた。具体的な希望開催地は挙げなかったというが、警備の心配がない平壌や、4月の南北首脳会談があった板門店を示唆した発言とみられる。関係筋の一人は「開催地も交渉カードの一つ。北朝鮮に有利な合意になるなら、正恩氏が譲歩して欧米に赴くこともありうる」と語る。
米国は平壌や南北軍事境界線をまたぐ板門店での開催には消極的という。
最大の懸案は、両首脳の合意内…