日立製作所がフィリピン人技能実習生40人に実習途中で解雇を通告し、波紋が広がっています。解雇された実習生たちは日立との団体交渉の末、19日に賃金補償で大枠合意に至りましたが、日立の実習計画が国側に認められない限り、いずれ帰国を迫られます。経団連会長を務める日立の中西宏明会長は「違法を避けるために、とりあえず解雇した」と説明しています。どんなトラブルが起きていて、背景には何があったのでしょうか。Q&A形式で解説します。
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日立の中西会長「違法を避けるため、とりあえず解雇」
Q フィリピン人の技能実習生はどうして解雇されたの?
A 9月20日付で解雇された20人は昨年7月、3年間の実習のために入国し、日立の鉄道車両製造拠点の笠戸事業所(山口県下松市)で働いていた。全員が20代だ。20人の在留資格が技能実習から短期滞在になり、近く日本を出国せざるをえなくなったことが解雇の理由だと日立は説明している。
Q なぜ、在留資格が短期滞在に変わったの?
A 笠戸事業所では実習生に目的の技能が学べない作業をさせている疑いがあり、国の監督機関「外国人技能実習機構」から2年目以降の実習計画の認定が得られていない。このため、技能実習生として在留できなくなったという。
実習生側は不当解雇と主張 日立と団交
Q 実習生は解雇に納得しているの?
A いや、実習生側は雇用契約…