東京都小平市の「公立昭和病院」発注の入札を巡る談合事件で、同病院施設担当課長の山地今朝幸(やまちけさゆき)容疑者(60)=官製談合防止法違反容疑などで逮捕=が、予定価格の見積額を落札業者に決めさせていた疑いがあることが捜査関係者への取材でわかった。警視庁はこの業者に確実に落札させる狙いがあったとみて、動機を詳しく調べている。同庁は23日、同病院を家宅捜索した。
病院入札で官製談合の疑い 公営企業課長ら逮捕 警視庁
捜査2課によると、山地容疑者は7~8月、同病院の空調設備の保守・整備業務の委託の指名競争入札を巡り、予定価格の算定基礎となる情報などを空調工事会社「大協設備」(東京都大田区)役員の柳一男容疑者(63)に漏らした疑いがある。
この入札で談合したとして、柳容疑者と「東京ビジネスサービス」多摩支店(東京都立川市)の同病院事業所総括主任、成田元治(げんじ)容疑者(45)も公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕。8月17日に行われた4社による入札で、大協設備が予定価格の99・84%の約7600万円で落札した。
捜査関係者によると、山地容疑者は本来自らの部署が行う予定価格の見積額の算定を「丸投げ」に近い形で柳容疑者に行わせ、病院はこの額を元に予定価格を決めていたという。警視庁は、山地容疑者が大協設備に落札させるため、会社の規模がより大きい成田容疑者に談合を持ちかけた疑いがあるとみている。捜査2課によると、3人とも容疑を認めているという。