道端アンジェリカさん(32)
突然の告白は、ネットで「肌が汚い」と書かれたのを見たのがきっかけだ。「乾癬(かんせん)という皮膚の病気を持っています」。悔しくて昨年5月、自身のSNSに書いた。
乾癬公表、恋人も「隠さないで」 道端アンジェリカさん
事務所には無断だった。仕事が来なくなるかも。不安をよそに共感や励ましが相次いだ。押された「いいね」は3万件を超えた。
福井県出身。20代半ばまでギャル系ファッション誌のレギュラーを務め、その後もモデルとして活躍してきた。5、6年前から手足の一部が赤くなり、かさぶたのようになって皮膚がはがれる症状が出はじめた。原因ははっきりしない。足首を骨折してストレスを抱えると、全身に広がった。
乾癬と診断され、治療をはじめた。他人の視線が気になり、いつも長袖。「気持ち悪いと思われたくない」。友人にも言えず、自分の体を見たくなくて入浴時は電気を消した。自己否定のようで、「そのマインドがつらかった」。
告白ですっと楽になった。ファン層とは異なる60代の男性からも「勇気づけられた」とコメントが届いた。「一人じゃないんだ」
患者は国内に数十万人。読み方から、うつるとの誤解もある。病気のことを知ってもらおうとイベントなどに精力的に出る。「『ただの乾癬じゃん』と気軽に言ってくれた方がいい」。重大だと受け止められたら、肌を出せなくなるし、引っ込み思案になっちゃうから。文・戸田政考 写真・小玉重隆