臨時国会は序盤から与野党が激突した。自民党の高市早苗衆院議院運営委員長の国会改革試案に野党側が反発し、本会議開会は45分遅れに。代表質問では野党側が安倍晋三首相の政治姿勢や改憲に向けた動きなどに批判を強めた。来夏の参院選を見据え、対決色は今後さらに強まりそうだ。
首相「政党が案を」VS.枝野氏「論外」 憲法で対決
29日午前、衆院本会議に先立ち開かれた衆院議運委理事会。本来は本会議の段取りを決める協議の場だが、議運委員長名で高市氏が25日に出した国会改革試案をめぐり、冒頭から紛糾した。
高市氏の試案は、政府提出法案の審議を優先し、一般質疑は会期末前にするとの内容を含んでいた。立憲民主党の辻元清美国会対策委員長は「(試案は)前代未聞。(高市氏は)立法府の役割や議運委員長の役割が公正公平で行政監視機能を果たさなければいけないということを理解していない」と強く批判。高市氏に試案の撤回と謝罪を求める考えを記者団に強調した。
与野党の折衝窓口である議運は、野党が審議拒否した場合でも話し合いが続けられるなど、高い中立性が求められる。高市氏の試案は、野党にとって見過ごせない批判対象となった。
当初、高市氏は「私的なメモ」などと試案撤回を拒否。だが、3回にわたる与野党の協議の結果、撤回することになった。午後1時に予定していた本会議での代表質問は、45分遅れで開始にこぎ着けた。
今国会では、衆参両院で立憲が野党第1会派となった。第2会派の国民民主党の原口一博国会対策委員長も「超対決路線」を掲げるなど、野党側は政権への対決姿勢を一層強める。通常国会では立憲、国民の足並みの乱れも指摘された。両党には臨時国会の審議を通じ、来夏の参院選に向けた野党連携を進める狙いもある。
高市氏が試案で法案審議の順序…