自民党の法務部会は29日、外国人労働者の新在留資格「特定技能」を設ける出入国管理法の改正案を了承した。「移民」につながる可能性があるとして議員らが反発し、厳格な運用を求める決議をしたが、議論は煮詰まらないまま首相官邸が描く来年4月導入のシナリオ通りに一歩進んだ。政府は自民党総務会や公明党の了承などを経て、11月2日を軸に改正案を閣議決定する方向だ。
「国内労働者の処遇を下げるな」 自民厚労部会の決議案
29日午後4時30分から始まった法務部会は、4時間近く続いた。これまで部会では「中長期的な国の形にかかわる問題。慎重に議論すべきだ。なぜ4月施行を目指すのか」「移民の定義はなにか」と厳しい意見が議員から続出。地域住民とのトラブルや、不法滞在者の増加による治安悪化などへの不安も相次ぎ、この日も長時間の議論となった。
特に問題となったのは、特定技能のうち長期在留や家族帯同が可能な「2号」の扱い。「移民につながる」との意見が多数出て、法務部会は改正案の了承にあたって政府に「厳格化」を求める決議をしたうえ、山下貴司法相を部会に呼び、決議の履行を求めた。
改正案づくりは、深刻な人手不…