与野党の議席が同数のため、9月末から議長選の当選者が辞退を繰り返し、議長を決められないでいた沖縄県与那国町の町議会(定数10)は31日、99回目の選挙でようやく議長を決めた。議案を審議できない機能不全が続いていたことに町内外から批判が相次ぎ、与党側が議長就任を受け入れた。
本土との溝、基地問題の行方は…沖縄はいま
9月9日の町議選で、与野党が5議席ずつを分け合った。議長選は9月28日に開始。議長を出せば採決時に少数派になるため、与野党それぞれが同じ議員に投票し、くじ引きで決まった当選者が辞退することが繰り返された。その結果、議長選は10月29日までの計22日間に計98回に及んだ。
議会には、総額約6億8千万円の一般会計補正予算案が提出されていた。外間守吉町長は緊急性が高いとする約3億9千万円を専決処分。だが、1カ月以上議長が決まらず審議にも入れないことが全国的に報じられ、町には「恥ずかしい」「税金の無駄遣い」といった批判が寄せられていた。(伊藤和行)