膵(すい)がんを公表し、抗がん剤の治療を続けている沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事(67)が意識混濁の状態になっている、と謝花喜一郎(じゃはなきいちろう)副知事が8日記者会見し、発表した。7日から徐々に意思決定に支障を来す状況になっていたという。辞職は否定した。謝花副知事が12日まで職務代理を務め、13日からは富川盛武副知事が務める。
【特集】沖縄はいま
【特集】翁長雄志・沖縄県知事
翁長知事は、4月に人間ドックを受けた際に精密検査が必要と医師から指摘されて検査入院。膵臓(すいぞう)に腫瘍(しゅよう)が見つかり、摘出手術を受けた。その後、再発を抑える治療を受けながら、県議会の6月定例会や、6月23日の沖縄全戦没者慰霊式典に出席。7月27日には、県庁で記者会見し、前知事による辺野古の埋め立て承認を撤回すると表明。手続きを進めていた。
一方で、出席を予定していた北海道での全国知事会議や、今月1日からの東京での予算要請を体調を理由に取りやめていた。
11月18日に予定されている知事選では、翁長知事の共産、社民などの県議会与党が、翁長氏本人の立候補を前提に準備を進めている。だが、体調面への不安が浮き彫りになった形で、候補者選考への影響は必至だ。
自民党は、佐喜真淳(さきまあつし)・宜野湾市長の擁立をすでに決めている。