住友商事は、中国で修理や整備といった自動車の「アフター市場」に本格参入する。中国ではマイカーの急増にともない修理や整備のニーズも増えており、現地の修理大手と組んで巨大市場の取り込みをねらう。
住商は、高級車向け修理チェーンを営む河南中鑫(ちゅうきん)企業集団有限公司と合弁会社をつくる。中鑫集団は河南省や山東省で約90店舗を展開する大手で、5年以内に600店舗まで増やす計画。住商は新会社を通じて自動車部品を店舗網に供給する。富裕層の多い上海や北京などの卸売業者にも部品を販売していく計画だ。
中国での17年の新車販売は2900万台で、保有台数は2億台を超えた。一方「アフター」では、正規ディーラーで修理や整備ができる保証期間が切れた後は、独立系の安い修理店を利用する傾向が強いとされる。ただ、独立系の修理店では、正規品のマークが付いた模倣品なども多く出回っており、修理やサービスへの不満が高まっているという。
そこで両社の強みを生かし、独立系の大手である中鑫集団の店舗網に、住商系の新会社が「純正品」をはじめとする品質の高い部品を供給することで自動車ユーザーの信用を得たい考えだ。上海住友商事の櫻木徹さんは「ここの部品なら絶対本物というルートを作り、世界最大の修理網にしたい」と話している。(鳴澤大)