北朝鮮の労働新聞(電子版)は5日付で、キューバのディアスカネル国家評議会議長の訪朝を大々的に報じた。金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が空港まで出迎えたほか、オープンカーによるパレードや単独会談などを行って歓待した。核問題を巡る米国との協議が難航するなか、圧力をかける狙いがありそうだ。
同紙は全8面のうちの1~5面で、写真39枚を使ってディアスカネル氏の訪朝を報じた。空港での閲兵式やパレード、市民の出迎えなどは9月の南北首脳会談とほぼ同じ厚遇ぶり。韓国統一省関係者によれば、故フィデル・カストロ元議長が1986年に訪朝した際と変わりない待遇という。
この関係者は「北朝鮮がキューバから得る経済的利益はない。社会主義路線を堅持し、反米という点で政治的に利用したいのだろう」と語った。
労働新聞は4日付でも、正恩氏が平壌で北朝鮮と中国による合同芸能公演を鑑賞したことを1面で報じた。(ソウル=牧野愛博)