中国が世界に市場の開放をアピールする場として初めて開いた国際輸入博覧会。米中の貿易摩擦が激化するなか、中国は圧倒的な規模の力と政治力を見せつけ、自国の「正当性」を演出する舞台に仕立てた。トランプ政権の強硬姿勢に防戦一方だったが、月末にも予定される米中首脳会談を前に反撃へと転じた形だ。
習主席、輸入博で米を牽制「各国は開放し続けるべきだ」
「各国は自らの問題を解決すべきだ。懐中電灯のように他人を照らす(批判する)だけで、自分を照らさないのはいけない」
習近平(シーチンピン)国家主席は5日、会場となった上海の国家会議展覧センターであった開幕式でこう語った。中国の不公正さを批判する米国へのメッセージであることは明らかだった。
博覧会構想は、昨年5月に開いた一帯一路(シルクロード経済圏構想)の国際会議で習氏が発表。中国との貿易を活発化すればメリットがあることを各国に訴え、「大国外交」に役立てる狙いがあった。
その後、米中の貿易摩擦が激化…