沖縄県で修学旅行生らを対象にした平和学習を企画・提供する「株式会社がちゆん」(中城〈なかぐすく〉村、国仲瞬社長)が、業務を停止した。2年先まで予約が入る人気ぶりの一方、数少ないスタッフが過重労働で心身疲労となったのが理由。沖縄は今の時期が修学旅行受け入れのピークで、県や観光業界が対応に追われている。
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同社は2014年5月、琉球大学生だった国仲社長が設立。「がち(真剣)でゆんたく(沖縄の言葉で「おしゃべり」)」をテーマに、修学旅行生と大学生が沖縄の基地問題や太平洋戦争末期の沖縄戦について対話したり、基地や戦跡へのフィールドワークをしたりする平和学習プログラムを企画・提供してきた。
同社ホームページなどによると、昨年2月までに県内外から延べ124校計2万2158人の修学旅行生を受け入れた。今月上旬の時点での予約は年内で44件あり、2年先まで入っていたという。
同社の代理人弁護士によると、国仲社長を含め、スタッフは社員3人と大学生らアルバイト4人の計7人。旅行会社や学校との連絡、プログラム作成などに追われ、数カ月間休みがない上に連日深夜まで勤務していた。その結果、ほぼ全員が心身に支障をきたしたという。財務状況に問題はなく清算する考えはないが、今月2日に営業を停止。再開のめどはたっていない。
県などによると、年内の予約は…