英国が欧州連合(EU)から合意のないまま離脱した場合、英国の経済規模を示す実質国内総生産(GDP)は、今のままEU加盟国でいる場合より6%ほど減る――。国際通貨基金(IMF)は14日、そんな中期的な試算を発表した。無秩序なEU離脱は「生産やサービスで幅広い混乱につながる」と警告した。
IMFは、離脱後の英・EUの貿易関係について、自由貿易協定(FTA)を結ぶケースと、「合意なしの離脱」で貿易の最低限の取り決めを定めたWTO(世界貿易機関)ルールが適用されるケースを試算。離脱せずにEUにとどまった場合とGDPを比べると、中期的にはWTOルールの場合で6・2%、FTAの場合で3・1%それぞれ減るという。貿易に加え、EUからの移民や投資の落ち込みが影響する。
試算には幅があり、英国が拡大を目指すとしているEU以外の国々との貿易関係は現在と変わらないことを前提に計算している。(ロンドン=寺西和男)