2番打者は「長打」か「つなぎ」か。シートノックをするのかしないのか。日本代表(侍ジャパン)の5勝1敗で、15日に幕を閉じた日米野球。大リーグ選抜との対戦では、日本の「野球」と北米の「ベースボール」の間にある異なる価値観が、浮き彫りになった。
大リーグ選抜は6試合のうち4試合で、2番に今季20本塁打のモリーナ(カージナルス)を起用した。メジャー15年目で、リーグ屈指の捕手。唯一勝ち星を挙げた第3戦では、3点本塁打を含む3安打を放った。出塁率と長打率の高い打者を上位に並べる大リーグのスタイルそのものだった。
一方の日本。2番は4試合が菊池(広)、残り2試合が源田(西)だった。
菊池を2番にした第4戦の前、稲葉監督に聞くと「長打をなかなか打てていない中で、どうやって点を取っていくか、考えました。菊池選手はいろんなことができて、作戦も仕掛けやすい」。打線の軸になっていた秋山(西)と柳田(ソ)をつなぐ役割として期待した。
進塁の意識が高く、サインに応えられる選手が多い日本には現状、これが合っているようだ。
日米の相違で言うと、シートノックも挙げられる。日本はほとんどの試合前にノックを行い、グラウンドの状態を確認したが、大リーグ選抜はゼロだった。
そもそも大リーグでは、試合前にシートノックをする習慣がない。ただ、巨人との練習試合を含めてランニング本塁打を2本も許してしまったことを考えると、野手の間に飛んだ打球の連係や球場の特徴を把握するためにも、今回に限ってはノックをした方がよかった気もするのだが。(井上翔太)