生き残りをかけた真剣勝負が今年も始まる。プロ野球で戦力外通告を受けた選手らが挑戦する「12球団合同トライアウト」が13日、福岡県筑後市のタマホームスタジアム筑後で開催される。今年は47選手が参加予定。1軍で輝かしい実績を持つ選手も、育成選手のまま日の目を見なかった選手も、同じ舞台で狭き門から日本野球機構(NPB)への返り咲きを目指す。
野手では阪神から戦力外通告を受けた西岡剛内野手(34)が注目される。ロッテ時代の2010年には首位打者を獲得し、ベストナインにも4度選出。ポスティング(入札制度)による移籍で大リーグのツインズでもプレーし、日米通算1241安打を積みあげた。
阪神の在籍6年目だった今季は25試合の出場で打率1割2分5厘。球団が発表する前に自身のインスタグラムで「今シーズンをもちまして阪神タイガースのユニホームを脱ぐことになりました。カッコつけた言い方をしましたが、10月1日に戦力外通告を受けました」と公表。現役続行の意思もインスタグラムで表明した。
投手ではヤクルトを戦力外になった成瀬善久投手(33)の実績がぴかいちだ。ロッテ時代はエースとして活躍。ボールの出どころが見えにくい変則的な投球フォームと巧みな制球で勝利を重ね、14年オフにフリーエージェントでヤクルトに移籍した。今季は1軍登板を果たせず、ヤクルトでの4年間は通算6勝11敗と結果を残せなかった。通算100勝まで残り4。新天地を求めてトライアウトに臨む。
高校時代に甲子園をわかせた選手では、オリックスを戦力外になった佐藤世那投手(21)がいる。3年前の夏の甲子園ではエースとして仙台育英を準優勝に導いた。その年のドラフト6位でオリックスに入団。投球フォームをサイドスローに変えるなど試行錯誤したが、1軍登板を果たせないまま戦力外を言い渡された。
愛媛・済美高のスラッガーとして04年の選抜大会で優勝に貢献した鵜久森淳志外野手(31)は、2度目のトライアウト挑戦となる。15年に日本ハムを戦力外になってヤクルトに拾われたが、14年目の今季は再び戦力外になった。
今年のトライアウトは、混雑緩和を目的に初めて観覧が有料になる。通常価格は800円で、12球団のどこかのファンクラブの会員であれば300円。
主な合同トライアウト参加予定者
【投手】 乾真大(巨) 成瀬善久(ヤ) 久古健太郎(ヤ) 古野正人(ヤ)須田幸太(D) 佐藤世那(オ) 【捕手】 伊志嶺忠(楽) 【内野手】 中井大介(巨) 西岡剛(神) 今成亮太(神) 【外野手】 鵜久森淳志(ヤ) 比屋根渉(ヤ) 枡田慎太郎(楽)