日本航空の副操縦士(42)が乗務前の飲酒でロンドンの警察当局に逮捕された事件で、日航は16日、副操縦士が直前の社内のアルコール検査で検知器に息を適切に吹きかけず意図的な不正ですり抜け、機長2人も注意義務違反があったとする報告書を国土交通省に提出した。副操縦士が出発寸前の機内から呼び出され拘束されたことも明らかにした。
副操縦士、検知器に息吹きかけず JAL「意図的不正」
都内で会見した赤坂祐二社長は「重大な事象を防止できず私の責任は極めて重大」と謝罪。自身の役員報酬を20%(1カ月)、進俊則専務の役員報酬を10%(同)返上するとした。
副操縦士はロンドン・ヒースロー空港で10月28日、現地基準値の10倍以上のアルコールが検出、逮捕されたが、直前の社内の呼気検査では検出されなかった。
日航によると、副操縦士は社内検査後、機長2人とバスで機内へ移動。搭乗後、バス運転手から「酒臭い」との通報を受けた保安担当者が副操縦士を呼び出すため機内に訪ねてきた。その際、副操縦士は突然「酒は飲んでいない。マウスウォッシュをしただけだ。うがいをさせてほしい」と大声で訴えたという。出発の45分前だった。
また社内調査では、副操縦士が検知器に息を吹きかける様子の確認を機長2人が怠ったことや、使用した「簡易型」検知器では不正ができることも判明。意図的な検査逃れだと結論付けた。進専務は「過去にも(不正が)なかったとは言い切れない」と述べた。一方、副操縦士が個人的な悩みを抱えて過度な飲酒をした可能性も指摘した。
日航は再発防止策として、飲酒…