愛知県豊田市の下山(しもやま)地区の山中には、約6キロにわたってモミジが続く「もみじ街道」がある。平成の初め、旧下山村が当時のふるさと創生事業を使って植えた。じょじょに紅葉狩りの場所として知られるようになり、平成最後の秋、訪れる人の姿は絶えない。見頃は今月末ごろまで。
もみじ街道の市道には、5~十数メートル間隔で約1200本が植わる。1990(平成2)年ごろ、村が基金にしたふるさと創生の1億円の利子で苗木を買い、2年かけて植えたという。
村は2005年に豊田市に吸収合併され、もみじ街道は半ば忘れ去られていた。だが、成長とともに道路側にも枝が伸び、秋になると「モミジのトンネル」が出現するなど観光スポットとして注目を浴びるように。紅葉の名所として有名な香嵐渓(豊田市足助町)にもつながっていることから最近は、もみじ街道を経由する観光バスも少なくないという。(臼井昭仁)