高校生が日本の文化を学び、発信するプロジェクト「高校生ニッポン文化大使2018」(文化庁、朝日新聞社主催)の発表会が17日、パリであった。代表として派遣された3人の高校生が、縄文文化の魅力について紹介した。
フランスでは今年、日仏友好160年に合わせて、文化芸術イベント「ジャポニスム2018」が開催されている。パリ日本文化会館では、その一環で「縄文―日本における美の誕生」展が開かれており、発表会場には高校生ら約70人が訪れた。
発表したのは、蟹江菜々美さん(金城学院高1年)、小出遥香さん(お茶の水女子大付属高1年)、村川智哉さん(開成高2年)。8月に任命された高校生ニッポン文化大使12人の代表だ。
小出さんは土偶のかわいらしさや美しさをアピールし、「フランスの人たちに土偶を好きになってほしい」と伝えた。土器の実用性や土偶の発見場所などの質問があり、小出さんは「質問が熱心で、フランスの人たちの関心の高さを感じました」。
村川さんは火焰(かえん)型土器をテーマにその不思議さを解説。終わると、「肩の荷がおりました」と話し、ほっとした表情をみせた。一方、アニミズムをテーマに縄文から現代までのつながりについて発表した蟹江さんは「もっと緊張するかと思いましたが、落ち着いてできました」。
パリの高校2年生、マチス・ペルニエスさんは発表会後、「日本の古い時代のことを知り、新しい経験ができた。縄文時代と現在がつながっているという見方が新鮮だった」と話した。(パリ=内田英良)