立憲民主党の枝野幸男代表が25日に講演を予定する成蹊大が、いったんは認めた報道陣による取材を不許可とした。22日までに成蹊大が立憲に不許可の方針を伝え、「学内での調整ミスがあった」と謝罪したという。
立憲や成蹊大広報によると、枝野氏の講演は学園祭の一環として学生団体「政治学研究会」が主催。9月末に同研究会が立憲に依頼し、開催が決まった。大学側は11月16日に取材を許可したが、その後、学長や学園長らからの指摘を受け、20日に許可を取り下げたという。
成蹊大広報は「想定以上の取材申請があり安全上の懸念が生じた」「特定の政治家、政党の宣伝や非難は行わないという学園祭規定に抵触しかねない」と理由を説明した。過去の学園祭でも政治家による講演はあったが、取材を許可したことはなかったという。
成蹊大は安倍晋三首相の出身校。2014年に大学を運営する成蹊学園のインタビューに応じ、学園広報ウェブサイトにも掲載された。大学側は22日、朝日新聞の取材に対し、安倍氏側からの指摘や配慮を否定した。一方、立憲関係者は「(首相と)関係があると見られるのは当然」と指摘。枝野氏は自身のツイッターで「(私の)妻の母校、成蹊大学での講演は25日の日曜日です」とつぶやいた。(河合達郎)