積水ハウスが架空の土地取引で巨額の金をだまし取られたとされる事件で8人が詐欺容疑で逮捕され、捜査は新たな局面に入った。金は「地面師」グループにどう流れたのか。警視庁は主犯格3人のうち、土井淑雄容疑者(63)が分配役だったとみて解明を進める。
東京都墨田区の8階建てビル。今年3月、記者が入り口のドアに「平和財団」などと記された3階の事務所を訪ねると土井容疑者が笑顔で迎え、革張りのソファに座るよう促された。
土井容疑者は記者に対し、自らをタイで日本人の遺骨収集などを行う「財団」の発足人の一人と紹介した。室内の壁にはビルの内外を映すモニターがいくつも並び、土井容疑者は時折、記者から視線を外し、鋭い目を向けていた。
捜査関係者によると、口座記録…