撮影時間はわずか5秒――。宮崎県川南町が地域の特産をPRする動画をつくった。スーパースロー映像に加工し、町の名物をぎゅっと詰め込んだ。
動画は、町のふるさと納税や町への移住をアピールしようと企画。担当者らが「せっかくなら町そのものの魅力を伝えられるものに」と考え、町全体をPRする内容にした。
川南町は戦後の軍用地開放に伴い、全国から農地を開拓する移住者を受け入れてきた。その多様性をアピールする「川南合衆国」が動画のテーマ。ふるさと納税の返礼品業者、地域おこし協力隊員、地元の幼稚園児ら約60人が撮影に参加した。
軽トラックが並ぶ自慢の朝市(あさいち)「軽トラ市」をアピールするマスコット。町特産の白身魚のシイラを練り込んだ「浜うどん」を湯切りする女性たち。県内各地からラガーマンが集まる町の社会人チーム「川南ラグビークラブ」……。全長44メートルの中で必死にPRを繰り広げる町民たちを、5秒で通り過ぎる車に乗せたハイスピードカメラがとらえた。
食肉加工会社「KNファーム」(同町)の黒木克幸代表(40)は、動画の中で地鶏を焼いた。撮影開始のタイミングに合わせ、普段つくるよりかなり多くの油を七輪にかけ、「PR映え」する炎をたてた。
完成まで6テイクを重ね、視聴者の目を引く仕上がりになった。できあがった動画は60秒ほど。担当者は「町民が一体になっている雰囲気も感じてほしい」。
YouTubeの公式チャンネル(
https://www.youtube.com/channel/UC4aMyhJWO08Ms0fH7H_2OHA
)で公開している。撮影時のメイキング映像も見られる。(大山稜)