福岡県行橋市へのふるさと納税による寄付額が飛躍的に伸びている。8月からタブレット端末「iPad」を返礼品に加えたことが後押ししており、市は今年度の寄付額を過去最多の8億4千万円だった昨年度の約3倍に上る25億円と見込んでいる。
市は4日開会の12月定例市議会に19億円を追加する一般会計補正予算案などを提案する。今年度の寄付額について当初予算で7億5千万円と見込んだが、予想を超える寄付の増加に伴い、6月定例会で一度修正。ところが寄付の入金額は既に16億円を超え、見込み額を大きく上回った。このため19億円をさらに加えることにした。内訳は13億円を積立金とし、6億円を返礼品などの経費に充てる。
市は好調な要因について返礼品を見直したことなどを挙げ、現在の返礼品の種類は約1100件という。10月末現在の今年度の寄付額による返礼品人気ベスト3は①iPad(寄付額4億4千万円)②アップルウォッチ(1億2千万円)③アップルTV(3300万円)と、行橋の特産品ではないアップル製品が独占。特にiPadは2カ月ほどでトップに躍り出た。
返礼品については、総務省が「寄付額の3割以下」「地場産品」を自治体に求めている。豪華返礼品を見直す自治体もあり、佐賀県みやき町は8月にiPadなどを取り下げた。行橋市では3割以下は守ってきたが、地場産品の見直しは保留。田中純市長は「我々は市内の企業や個人が業として扱っている物は地場産品というくくりでやってきた。ルールが明確化されたら、それに従う」と説明している。上位を占めたアップル製品は市内業者が取り扱っている。
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