アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれていた主要20カ国・地域(G20)首脳会議は1日、首脳宣言を採択して閉幕した。2017年の首脳宣言にあった「不公正な貿易慣行を含む保護主義と引き続き闘う」との文言が消えた。米中2大経済大国が貿易紛争を抱える中、双方が都合の悪い表現を落とすことになった。世界経済の安定で各国が協調する枠組みはその存在意義を問われている。
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首脳宣言は世界経済の現状について、「力強い成長が続いているが、国ごとに度合いは異なってきている」と分析し、「金融の脆弱(ぜいじゃく)性や地政学的課題など、リスクが顕在化してきている」と指摘した。
閉幕後に記者会見した議長国アルゼンチンのマクリ大統領は「緊張が高まり、合意に達することができない国際会議がある中で、今回は合意に到達できた。喜ばしいことだ」と語った。
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