世界が衝撃を受けた電撃的な逮捕から20日あまり。日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が10日、起訴、再逮捕された。役員報酬の虚偽記載容疑は約91億円に膨らんだ。東京地検特捜部と弁護側の主張は鋭く対立する。国内外が捜査の帰結に注目する。
瀕死の日産に劇薬、圧倒的存在に ゴーン流に湧いた疑惑
緊急特集「ゴーンショック 日産会長逮捕」
10日午後4時。東京地検の久木元(くきもと)伸・次席検事は記者会見でゴーン前会長らの起訴と再逮捕を発表した。
東京地検の定例会見は通常、隔週の木曜日だけだ。ただ11月19日の前会長逮捕の後、海外メディアなどの要望を受け、毎週木曜日に開くようにした。さらに今回は勾留期限の10日に開催日をずらした。地検としては異例の対応だ。
だが会見の中身は要旨を記した発表文を読み上げただけで、代わり映えしなかった。「捜査の内容に関わるので答えを差し控える」との回答が繰り返され、詳細は説明されなかった。
特捜部は、ゴーン前会長の金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑について、2010~17年度の8年分を立件対象とし、前半の5年分と後半の3年分の2回に分けて逮捕した。その理由を問われた久木元次席は「当然、適正な司法審査を経て再逮捕した」と繰り返した。
検察関係者は「年度によって個…