ソフトバンクの携帯電話で6日に起きた通信障害は、影響が最大約3060万件にのぼる見込みになった。同社が12日までに総務省に報告した。携帯電話の通信障害としては過去最大級。総務省は同社に対し、再発防止の徹底などを求めて行政指導する方針だ。
障害が起きたのは、同社の「ソフトバンク」「ワイモバイル」の両ブランドのほか、ソフトバンクの回線を借りている格安スマホの端末。これら全約4千万回線の8割近くで障害が起きたことになる。NTTドコモ、KDDI(au)などを合わせた国内携帯電話、約1億7千万契約の約2割に当たる規模だ。
障害が起きていた時間も長く、6日午後1時40分ごろから約4時間半にわたった。電気通信事業法では、影響が「3万人以上かつ1時間以上」に及ぶ障害は「重大な事故」とされる。総務省によると、過去にはKDDIで2015年7月に最大約796万件でメールの送受信などができなくなる障害が発生。NTTドコモでも12年1月に約252万件で通話やデータ通信が利用しづらくなり、いずれも「重大な事故」とされた。
障害の原因は、データを送る側と受ける側をつなぐ交換機の不具合だ。ソフトバンクの場合、最新の4G(第4世代)方式の携帯電話の通信は、東京か大阪にある施設の交換機を通る。この交換機で不具合が起き、影響が全国に及んだ。交換機はスウェーデンのエリクソン社製で、この機器を使う海外10カ国の通信会社でもほぼ同じ時間帯に障害が起きたという。
ソフトバンクは、さらに詳しい事故原因などを30日以内に報告することが同法で義務づけられており、総務省はその結果を見極めて行政指導する考え。(徳島慎也)