ネット上の差別的な投稿を集めたまとめサイト「保守速報」で名誉を傷つけられたとして、在日朝鮮人のフリーライター李信恵(リシネ)さんがサイト運営者に損害賠償を求めた訴訟で、運営者に200万円の支払いを命じた判決が確定した。最高裁第三小法廷(宮崎裕子裁判長)は11日付の決定で運営者の上告を退け、李さんが勝訴した一、二審判決が確定した。
ネットで顔さらされヘイト投稿 衝動的に髪を切った夜
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一、二審判決によると、運営者は2013年7月から約1年間、匿名掲示板「2ちゃんねる」やツイッターから、李さんについて「朝鮮の工作員」などと書き込んだ投稿を引用し、編集を加えて掲載した。
一審・大阪地裁は、表現の一部が、名誉毀損(きそん)、人種差別、女性差別にあたると指摘。まとめサイトで編集する際、差別的な文言を拡大したり、色をつけたりして強調したことで、新たな権利侵害が生まれたと認定した。二審・大阪高裁もこの判断を支持した。(岡本玄)