中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の創業者一族・孟晩舟氏が逮捕された事件は、米国の同盟国カナダを巻き込む新たな展開となった。カナダの元外交官が北京で拘束されたのは「中国の報復」とみる向きは強く、孟氏の身柄を米国に引き渡すかどうかをめぐり、中国側が今後どう出るかが注目される。
保釈のファーウェイ副会長、24時間監視など条件
中国の反応に世界の関心が集まるなか、中国外務省の陸慷報道局長は12日の定例会見で、「カナダ政府は誤ったやり方をただすべきだ」と、華為の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)の即時釈放を改めて要求。「無罪放免」ではない保釈では満足しないという厳しい姿勢を見せた。
中国がカナダの元外交官拘束という実力行使に乗り出したことで、対立は新たな局面に入ったとの受け止めが広がっている。
孟氏の拘束を受け、中国では一部企業が米アップルのiPhone(アイフォーン)を使う従業員を罰する措置に出るなど反発が高まっていた。弱腰と映れば習近平(シーチンピン)指導部に批判の矛先が向きかねないため、中国側も強い姿勢を打ち出してきたとみられる。
北京の外交筋は「タイミングを考えれば、孟氏逮捕への報復だろう。交渉のカードを作り、カナダ政府に圧力をかけようとしたのではないか。間接的に米国を牽制(けんせい)する狙いもあるだろう」とみる。
背後にいる本当の「敵」は米国…