自民、公明両党は14日、来年度の与党税制改正大綱を正式に決定した。来年10月の消費増税の対策として、自動車や住宅に関する減税を実施するのが柱だ。今回の改正による減税総額は国・地方合計で1670億円に上り、減税色の濃い内容になった。
未婚親の支援策、自公が対立 自民「未婚の出産を助長」
ポイント還元、ほぼ「減税」 与党内からもバラマキ批判
膨らむ増税対策「理屈どうにでも」 金持ち優遇の懸念も
自動車関連の減税額は増税分を差し引いて総額530億円。車を持っている人が毎年支払う自動車税は恒久的な減税とし、小型車を中心に1千~4500円引き下げる。この財源を確保するため、燃費のいい車の税負担を軽くするエコカー向けの減税は大幅に縮小して増税する。
取得時に燃費に応じて取得価格の0~3%を支払う税金「環境性能割」の税率も、消費増税後1年間に限り1%分引き下げる。
住宅ローン減税は総額1140億円に上る。ローン残高に応じて所得税などを安くする控除期間を10年間から13年間に延長。延長した3年間は、最大で住宅の取得価格の2%分を控除できるようにする。
一方、消費増税と同時に導入する軽減税率で目減りする1兆円分の税収の穴埋め策も明記した。昨年末に決めた所得税やたばこ税の増税に加え、将来のインボイス(適格請求書)導入による税収増、医療や介護の負担を軽くする「総合合算制度」の見送りなどで穴埋めすることが決まった。(伊藤舞虹)