政府・与党は、自動車の排気量に応じて毎年かかる自動車税を引き下げる方向で調整に入った。来年10月の消費増税を控え、自動車業界が恒久的な減税を求めていた。一方で、燃費が良い車の税負担を減免する「エコカー減税」の対象車種を絞り込むなどの増税も実施し、全体の税収が減らないようにする。
膨らむ増税対策「理屈どうにでも」 金持ち優遇の懸念も
減税幅などの詳細を今後詰め、来月半ばにまとめる来年度の与党税制改正大綱に盛り込む。
自動車税は自動車を持っているだけで毎年かかる地方税。税額は11万1千円を上限に排気量に応じて決まり、一般的な乗用車で年2万9500円~3万9500円かかる。政府・与党はこれを恒久的に引き下げる方向で調整を進める。
自動車税の税収は年約1・5兆円。地方の主要な税収になっており、減税には自治体が強く反発している。そこで、政府・与党は国税ではあるが、その約4割が地方に配られる自動車重量税の実質増税とセットにするなどして、地方税収が減らないようにする。
具体的には、重量税を一時的に減免するエコカー減税は来年4月末で期限が切れるが、政府・与党はこれを延長した上で、減免の対象車種を絞り込む方針だ。すでに全車種の83%がエコカー減税の対象に入っており、より環境性能がすぐれた車に限る。重量税の税収を地方に配る割合を引き上げることも検討する。
一方、政府・与党は、増税後に…