政府は26日、来年10月の消費増税に向けた対策の基本方針を公表した。増税後の消費の落ち込みを防ぐねらいから、「キャッシュレス決済」を対象にしたポイント還元や「プレミアム商品券」の発行などを盛り込んだ。だが、増税負担を上回る大盤振る舞いになりかねず、財政の悪化や対策後の反動を懸念する指摘も出ている。
ポイント還元、ほぼ「減税」 与党内からもバラマキ批判
基本方針は、26日の経済財政諮問会議などの合同会議で提示。安倍晋三首相はこの方針に沿って対策を具体化するよう、茂木敏充経済再生相に指示した。
対策は決定済みの軽減税率の導入や幼児教育の無償化などに加え、与党から要望があった政策も含め全9項目。規模や詳細は年末に向けた予算編成と税制改正で詰める。
目玉施策のポイント還元は、中小小売店で現金を使わずにクレジットカードなどで決済した買い物客にポイントを還元し、その費用を国が負担する。首相は22日、還元率を消費税率の引き上げ幅を超える5%、還元期間を増税後9カ月間にすることを表明した。
公明党が要望したプレミアム商品券も発行する。住民税の非課税世帯と0~2歳児のいる世帯に、2万円を購入の上限額に、2万5千円分の買い物に使えるようにする方向で調整する。
自民党が要望したマイナンバーカードにためられる「自治体ポイント」の加算や公共事業の拡充も盛り込んだ。増税が影響しそうな住宅や自動車の購入を後押しする減税や補助金の増額も進める。
2014年、消費税率を8%に引き上げた時には年約8兆円の負担増が見込まれ、約5・5兆円の対策を打った。それでも増税前後に大きな駆け込み消費や反動減が生じ、消費が低迷した。この反省から今回は個人の負担軽減や増税後の購入支援策を手厚くした。
消費増税に伴う軽減策としてはもともと、公明党が強く求めた軽減税率や、低所得の年金受給者への給付金などの実施が決まっていた。
だが、来年に統一地方選や参院…