米軍普天間飛行場の移設先、辺野古沿岸への土砂投入が14日、始まった。保守政治家でありながら自民党政権が進める移設に抵抗し、8月に急逝した故翁長雄志(おながたけし)前沖縄県知事。次男で那覇市議の雄治(たけはる)さんは沖縄を守る保守として、基地を強いる本土の保守との対立も辞さないと言う。元ネトウヨの彼が思い描く保守のカタチとは。
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本土との溝、基地問題の行方は…沖縄はいま
――お父さんの翁長雄志・前沖縄県知事が8月8日に亡くなった3日後の11日、那覇市で開かれた辺野古土砂投入阻止の県民集会での雄治さんのスピーチが語りぐさになっています。
「父が死ぬ2日前、病室で30分ぐらい話をしました。沖縄のこと、基地のこと、あれこれ語りましたが、そのときの父の言葉をここで県民に伝えないでいつ言うのかと思い、自分からお願いしてあいさつをさせてもらいました」
――スピーチで、沖縄がいかに米軍基地の負担に苦しめられてきたか。新たな基地には大義名分がないこと。「ウチナーンチュ(沖縄の人)が心を一つにして闘うときは、おまえが想像するより、はるかに大きな力になる」と父から言われた、などと述べています。
「そんな話をした翌朝、父の容体が急変。午後にまた来るよという呼びかけに、『ああ』と言ったのが、肉声を聞いた最後でした」
――後継を選ぶ知事選は、雄志さんが指名しオール沖縄が支援した玉城デニー氏と自民・公明両党が推す佐喜真淳前宜野湾市長の一騎打ち。メディアの情勢調査は玉城氏優勢を伝えていましたが。
「知事選は玉城選対の青年局長をやらせていただきました。今年2月の名護市長選ではオール沖縄が推す稲嶺進氏が事前調査で有利だったのに、最後に自民・公明が推す候補に逆転された。その再来を恐れましたが、今回は自公に名護市長選時の勢いがなかった」
――3代続く保守政治家の家系です。選挙はお手のものでは?
「我が家には『政治は家業ではない』という家訓があり、できるだけ政治から遠ざかるように言われていました。父の選挙も母は僕を選挙事務所に行かせたくなかった。勝手に遊びにいっていましたけどね。選挙を手伝ったのは大学時代の那覇市長選が最初です」
――その頃から政治に興味を持つようになった?
「正確には大学4年だった09年、民主党が自民党から政権を奪取した年です。当時の僕はネトウヨバリバリ。韓国は悪い、中国はとんでもない、民主党はダメな党といった右派のコメントをSNSで読んでは、共感のコメントを書き込んでいました」
「あの頃、日本は雰囲気がおか…