集配中のトラックなどが路上駐車できるよう、京都府警が17日から京都市中心部の1・5キロ区間で駐車規制を緩和した。背景にあるのはトラック運転手の働き方改革。警察庁が都道府県警に規制緩和を求め、警視庁などでも動きが広がる。
道路交通法では、駐車禁止区間の場合、5分以内なら荷物の積み下ろしに限り、駐車することを認めている。しかし、5分を超えたり、車が無人になったりすると駐車違反だ。
公益社団法人「全日本トラック協会」(東京)によると、こうした違反を防ぐため、運転免許をもつ人が同乗することがあるが、同乗のアルバイトを確保できないことも多く、運転手がハンドルを握らない日も出勤して対応している。
運送業界の長時間労働を是正するため、政府は昨年8月、自動車運送事業の働き方改革をテーマにした関係省庁会議で「直ちに取り組む施策」を決定。その一つとして警察庁が今年2月、集配中の車を対象に駐車規制の緩和を求める通達を出した。駐車禁止の対象区間は、都道府県の公安委員会が決めるためだ。
京都府警が緩和したのは、京都市中京区の御池(おいけ)通の1・5キロ区間。駐車禁止の標識に「集配中の駐車は除く」と補助標識をつけ、午前6時~午後8時に限り、集配中のトラックなどの貨物車の路肩駐車を認める。御池通は最大8車線あり、事故や渋滞につながりにくいと判断した。全日本トラック協会によると、通達後に緩和区間を設けたのは全国で初めてだ。
府警は御池通での効果を見ながら、他の路線・区間の緩和も検討する。
警視庁は4月以降、東京都内の港区、品川区、渋谷区で計8台分の集配車専用の駐車スペースを試験的に設けた。中小企業が多い地域や、民家やマンションが立ち並ぶ地域で、配達時間の短縮につながったとして好評という。来夏以降、23区を中心に都内約100カ所に広げていくという。
先進地の兵庫県警では通達前の…