トヨタ自動車労働組合は、2019年春闘のベースアップ(ベア)について、具体額を盛り込まずに要求する検討を始めた。ベアは6年連続で求めるが、年齢や職種などに応じた給与の絶対額を重視する。
トヨタのベア額は多くの企業が参考にしてきたが、春闘相場の牽引(けんいん)役としての役割は変わりそうだ。トヨタ労組は子育てやシニア向けの手当、働きやすさにつながる「人への投資」など幅広い視点で要求案を検討。関係者は「ベアが大切という認識は変わらない。要求がトーンダウンしたと受け取られないよう、要求内容には最大限の注意を払う」としている。年明けにも執行部案を固め、来年2月に正式決定する。
トヨタ労組は14年以降、金額を明示してベアを要求してきた。しかし、18年春闘で会社側は「賃金の絶対額の議論が大事だ」(上田達郎専務役員)としてベア額を示さず、定期昇給や手当などを含めた総額の賃上げ幅で回答。トヨタ労組も受け入れた。会社側は19年も同様の回答をする方針で、組合も対応を迫られている。
また、トヨタ労組の上部団体の…