中国でカナダ人が相次いで拘束された問題で、カナダのフリーランド外相は２１日、「中国によるカナダ人２人の恣意（しい）的な拘束を深く懸念している」との声明を出し、即時釈放を求めた。ＡＰ通信によると、公式な釈放要求は初めて。米国も同日に類似の声明を出しており、足並みをそろえて中国に対峙（たいじ）する姿勢を示した格好だ。

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フリーランド氏は「カナダは法の支配で統治される国であり、華為技術（ファーウェイ）の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者についても、公正で透明性の高い法の執行を実施している」と説明。米国との犯罪者引き渡し条約にも触れ、「カナダは、法の支配は民主主義の根本原理で、（採用するか否かを選ぶ）選択の問題ではないという信念をパートナー国（米国）と共有している。妥協しない」と強調した。

米国務省のパラディノ副報道官も２１日付の声明で「カナダは公平公正で透明性の高い法的な手続きを行っている」と主張。中国政府にカナダ人２人が拘束されている問題について「深い懸念」を表明した。

カナダは今月１日、米国の要請で孟氏を逮捕。これに対し、中国は９日後にカナダ人２人を拘束した。中国は華為の事件との関連を認めていないが、拘束したカナダ人を外交カードにして孟氏の釈放に向けて圧力をかけようとしているとの見方が出ている。（ニューヨーク＝金成隆一、ワシントン＝園田耕司）