代替わりに伴う皇室行事「大嘗祭(だいじょうさい)」を巡り、秋篠宮さまが山本信一郎・宮内庁長官らに既存の宮中の「神嘉殿(しんかでん)」を活用し費用を抑制する具体案を示していたと報じられたことについて、宮内庁の西村泰彦次長は25日の定例会見で、「一つの考え方」として長官が事前に秋篠宮さまから聞いていた、と認めた。
私費で賄う大嘗祭、秋篠宮さま自ら提案 既存の神殿活用
だが、前回の代替わり時の整理や、古来皇位継承があった際は常設の施設ではなく臨時の宮を建ててきたことなど歴史的経緯を踏まえ、従来通り「大嘗宮(だいじょうきゅう)」を新設して行うこととしたという。
一方、秋篠宮さまは天皇家の私的な積立金のうち数億円で賄える範囲で実施を、とも提案していたと報じられたが、西村次長は「長官は『記憶にない』と言っている」と述べた。
秋篠宮さまは11月22日の会見で、大嘗祭は宗教色が強いため公費支出はなじまず、天皇家の「私費」にあたる「内廷会計」で賄うべきだとの考えを示し、山本長官らに伝えたが「(長官らが)聞く耳を持たなかった」と語っていた。(多田晃子)