東京大は25日、「大学入学共通テスト」の初年度の受験生の英語力を確認するため、高校の調査書ではなく、専用の「英語力についての証明書」の提出を求める方針を発表した。2020年度から始まる共通テストは英語の民間試験を導入するが、同大は民間試験の成績を必須としないことを表明していた。調査書に英語力の記載を求めると、高校が他大学向けとは別の調査書を作ることになり、混乱が想定されるためだという。
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英語の4技能(読む・聞く・話す・書く)を測るために導入される民間試験をめぐっては、異なる目的の試験を共通の尺度の「CEFR(セファール)」で比較することの難しさや、受験生の居住地や家庭の経済状況の違いによる公平性について、疑問の声が上がっている。
東大は9月、こうした声に配慮し、CEFRの6段階で下から2番目の「A2」以上の英語力を出願資格とし、①民間試験の成績②A2以上の英語力があると書かれた、調査書などの高校が作る証明書③障害や病気などの理由で①②の書類を出せない事情を説明する「理由書」、のいずれかを求める基本方針を発表していた。(増谷文生)