27年ぶりの新税となる国際観光旅客税(出国税)の徴収が来年1月7日から始まる。飛行機や船で日本を出国する人から1回1千円を徴収する制度で、外国人だけでなく日本人も対象だ。旅行会社はパンフレットで案内し、利用者の混乱を避けようとしている。
「1月7日から日本を出発する人から1千円をいただく。(税収を活用して)負担する利用者の満足度をしっかりと向上していくようなことに取り組みたい」。観光庁の田端浩長官は12月19日、そう呼びかけて観光客らの理解を求めた。
2018年の訪日外国人客数は18日に3千万人を突破した。政府はさらに、20年までに4千万人、30年に6千万人まで増やす目標を掲げる。
目標達成のため、出国税の税収は、①訪日客が快適に旅行できる環境の整備②SNSなどを使った情報発信強化③満足度を上げるための観光資源整備など、の3分野に関する施策に使われることになっている。19年度は500億円の税収を見込み、空港などでのスムーズな出入国のための顔認証ゲート設置や、文化財の多言語解説の充実などに使う。
課税の対象者は幅広い。2歳以上であれば年齢や国籍にかかわらず1人1千円を納める。飛行機や船の運賃に上乗せして徴収され、例えば、プライベートジェットで出国する場合には自分で事前に税関に納付しなければならない。
入国後24時間以内に出国する乗り継ぎ客や、天候などの影響でやむを得ず立ち寄った国際船の客は対象外だ。
同様の制度は諸外国にもある。…