昨年11月19日の逮捕から51日目の8日、日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が公開の法廷に姿を見せた。海外メディアはこの日の動きを次々と報じた。
カルロス・ゴーン もたらした光と影
開廷後すぐ、米紙ウォールストリート・ジャーナルは「私は誤った容疑をかけられた」とするゴーン前会長の発言を速報。発言の詳細も、弁護人が日本メディア向けに公表するより早く、同紙やロイター通信など複数のメディアが英語の全文を入手して公表した。
仏メディアも「公の場で初めて無実を訴えた」(経済紙レゼコー)、「本当の(戦いの)ラウンドが始まった」(フィガロ)などと伝えた。仏ラジオ「RTL」のフィリップ・ドバさんは、「ゴーン前会長が無実を主張する理由が確固としてあるという印象を受けた」と話した。ただ、法廷内で取材はできなかったといい、「私たちが考える『公共』の定義とは違って、制限されたという印象を持った」。法廷では、計3席で海外メディアの記者が傍聴したという。
法廷で傍聴した欧米の通信社の特派員(50)は、ゴーン前会長について「とても落ち着いていて、感情的にもならず、話す内容も明快だった」と評価した。勾留のあり方については「これまであまり知られていなかった日本の司法制度に、海外の関心が高まっている。日本の司法制度は複雑で、海外の人には理解が難しい。海外の報道が外圧になることもあるだろう」などと話した。
閉廷後、ゴーン前会長の弁護人…