日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が私的な損失を日産に付け替えたなどとして逮捕された特別背任事件で、前会長の弁護人は10日、前会長が高熱を出し、接見や取り調べができない状態だと明らかにした。
カルロス・ゴーン もたらした光と影
弁護人によると、ゴーン前会長は9日夜から高熱を出しており、医師が「安静が必要で、接見や取り調べは不可」と判断。このため、10日午前の接見はできなかったという。
ゴーン前会長が最初に逮捕されたのは昨年11月19日。計3回の逮捕に伴う勾留期限は11日で、身柄拘束は少なくとも54日間に及ぶ見通しとなっている。
親族によると10キロほど痩せたといい、東京地裁が特別背任容疑の勾留理由を開示した8日の法廷では、ほおがこけた姿を見せていた。弁護側は開示手続きが終わった後に勾留の取り消しを請求したが、地裁は9日に却下。弁護側は不服として準抗告している。