仏紙フィガロ(電子版)は15日、役員報酬の過少記載の罪などで起訴されたカルロス・ゴーン被告(64)が会長兼最高経営責任者(CEO)を務める仏ルノーが、20日にも取締役会を開き、新体制の人事を議論する見通しだと報じた。ゴーン被告を解任する観測が強まっている。
カルロス・ゴーン もたらした光と影
同紙によると、同社筆頭株主の仏政府は政府関係者をすでに東京へ派遣。日本政府関係者と、ゴーン被告の会長職を解いた日産自動車の関係者に16日以降に面会する予定で、後任人事に向けた調整をするとみられる。同紙は有力な後任候補として、会長には仏タイヤメーカー、ミシュランのCEOのジャン・ドミニク・スナール氏、CEOにはティエリー・ボロレCEO暫定代行を挙げている。
仏政府はこれまで「推定無罪の原則が働く」(ルメール経済・財務相)として、ゴーン被告の会長解任を見送ってきた。同紙によると、15日にゴーン被告の保釈請求が東京地裁に却下されたことで勾留のさらなる長期化が見込まれることから、「ゴーン後」の議論に踏み切ることを決めた。
ロイター通信も15日、仏政府がルノーに後任人事の検討を要請したと報じた。20日に取締役会を開くよう仏政府が求めたという。(パリ=疋田多揚)